キャベツ : 11月上旬〜2月下旬
生で食べても唸るほど甘く、葉がぎっしりとつまったキャベツ。加熱すると甘みはさらに増し、煮込んだエキスは、出汁のようにコクと旨みがあります。一番甘い芯の部分まで、まるごと堪能できます。2014年12月野菜ソムリエサミットで、二つ星を獲得。
キャベツは大別すると、歯ごたえがあり煮込みやお好み焼きなどにつかわれる「寒玉キャベツ」、みずみずしくやわらかな生食向きの「春系キャベツ」がある。
「冬甘菜」は、この「寒玉」の寒さに強い特徴と「春系」の柔らかい特徴の両方を組み入れ、「おいしさ」「甘さ」を追及して作られたスーパーキャベツ。
このキャベツと我々の出会いは、今から8年あまり前。甘いキャベツがあると聞き、調べてみると、キャベツ類のみを育種しているメーカーが味にこだわった甘い品種を温暖な静岡の一地域で限定的に栽培していることが判明する。しかしそのキャベツは、関東以北では作られておらず、郡山での栽培は全く予測出来ないのことであった。
試作1年目は失敗、肥料を効かせるタイミング、夏の害虫対策、根をしっかり張らせる土づくりを行い、2年目にようやく立派な「冬甘菜」を作ることに成功する。さらに、冬期の低温に当たることで、芯の部分で糖度11~12度とスイカ並みの甘さを得た。
その甘さの逸話として、レストランのシェフに「他のキャベツと同じように煮込み料理で使ったら甘すぎて困ってしまった!」とお叱りを受けた程である。特に白い芯・葉脈の部分が甘く、ロールキャベツや浅漬け、しゃぶしゃぶ、大きめのざく切りサラダとして好適。
【名前の由来】
冬の甘いキャベツを「冬甘菜」と命名。「ふゆかんな」という、雪の中で息づく姿を連想させるような透き通った音の響きと、多くの方に親しまれるような呼びやすさも重視しました。
冬甘菜生産農家 濱津 洋一さん
【総評】 成分では糖度・抗酸化力が高い数値を示し、硝酸イオン含量が非常に低くなった。 外葉が若干紫色がかったものがあるのは、寒気から身を守る為に糖を蓄え、抗酸化成分であるアントシアニン(紫色色素)を合成するというキャベツが持つ性質からである。その様子が数値にも表れていると言える。また、郡山の寒さからしっかりとした葉で身を守った冬甘菜は、シャキシャキとした良い食感が得られ、蓄えた糖でとても甘く感じられるだろう。 味覚センサーでは、塩味が少なく、旨味、渋味刺激、苦味雑味が多く現れた。キャベツ独特の風味がより感じられ、甘みとコクがあるバランスの良さが数値によっても立証された形である。火を通すと、揮発性の刺激味がなくなり、より甘さを楽しめるだろう。